念願のサマーキャンプをやりました。 – なんトラ184

昨年の11月から縁あって法政大学の運営する総合型スポーツクラブのバスケットボール部門のお手伝いをしています。ファイブスターキャンプで約15年ほど、子供たちにバスケを楽しいと思ってもらえるようなワンデイ・キャンプ(1day camp)を続けてきましたが、理想型は通年でやることにありました。

これはパートナーの岡山氏ともよく話していたことで、子供たちの個性を見極めてそれに会った指導を継続していくことが出来るからです。とは言え、チームを作って大会に出て試合をするわけではありませんから、子供たちがそれぞれの学校で、所属するチームのコーチに「基礎は出来ていて、応用も利くな」という風に思ってもらえるように育てて行きたいというフィロソフィー(やり方)は持っていました。
こんな考え方を法政大学は許してくださいました。

これまで、あまり縁もゆかりもなかった大学と言えますが、唯一つながりがあったのは、その法政クラブを創設したメンバーが苅谷春郎教授であり、大学時代の同級生でした。彼は東京6大学の雄であり、伝統のある法政大学の中でも2009年に創設された新しい学部、スポーツ健康学部の学部長をしていたのです。たまたま雑誌の原稿を書いていただいていた友人の元新聞記者であり、女性スポーツの権威でもある三ツ谷洋子教授に再会の労をとっていただいたことからとんとん拍子で「おい、手伝ってくれや」「OK!いいよ」となったのでありました。三ツ谷さんには本当に感謝です。

人生、長くやっているとこういうことも間々あるようです。

その後、最初の顔合わせの法政クラブの理事会での説明の時から、通年の教室と小学生に向けたサマーキャンプの重要性を私は説いたのです。小学生時代には1つのスポーツだけではなく、色々な種目を体験することが色々と可能性が出てくるし、バランスの良い成長をするから重要であるとの考え方を自分なりに持っていました。これは岡山氏とも何度も話し合ったことであり共通の確認事項であったのです。私のバスケの指導させていただく原点はそこにありましたから、熱を込めて説得しました。

そしてついにサマーキャンプが実現しました。
場所は多摩キャンパス。サイトは高尾山のそばで町田市、相模原市、八王子市にまたがっています。あらゆるスポーツ施設と宿泊棟が完備しており、理想的な環境です。
初めてのことだったので子供たちの体力などを加味して、8月25,26日の1泊2日のコンパクトなものになりました。八王子の民間のボランティア団体の方々の指導で文化的なもの(お手玉の製作と遊び方、夜は星空の観察など)と遊び(近くの町田市の大地沢自然公園での水遊びやアスレティック)もアクティビティーに入れてスポーツはバスケットと陸上競技。
運営する指導者やお世話役の方が勉強になったキャンプでした。というのはスポーツは専門分野ですから予想がつきますが、文化的なものは初体験。非常にバランスのとれた物に仕上がったように思います。

私が一番感じたのは幼稚園の年長さんから小学6年生までの子供たちの無尽蔵にでてくるエネルギー、パワー。興味を持ったものに対する集中力の凄さ。本当にされ圧倒ました。それを上手くコントロールしてくれたスポーツ健康学部の学生さんたちの献身的なサポート無くしては良いものにはなりえなかったと思います。
今回は16人の参加者でしたが来年はもっと増えることでしょう。

それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。


日本のスポーツの質が変わってくれるかも? – なんトラ181

いつになくオリンピックの色々なゲームを見てしまいました。
まぁ、スポーツに関連する仕事をしているのだし、当然気になっていましたので出来る限り時間を割いてみるようにました。一番出場を念じていたバスケの日本チームは男女とも不参加なのでとても寂しかったのですが、「そのうち出てくれるじゃろう」と期待を持ってポジティブに見守ることにいたしました。
そんな中で非常に肩の力が抜けていて、実力のすべてを一番良い形で出したのが女子アーチェリーの団体だったと思います。韓国から帰化した早川漣(24)、近大OBの蟹江美貴(23)、川中香緒里(20)は1回戦ウクライナ、2回戦メキシコと強豪を倒し、ここ20年以上アーチェリー女王の座に君臨する韓国と対戦したのですが敗戦。しかし、ロシアとの3位決定戦で見事に相手を突き放し銅メダルを獲得したのです。
この3人それぞれまとめ役、おっとりした癒し系、芯の強さを持つヤング、という個性が絡み合っていましたが、中でも愉快だったのがいつもニコニコの蟹江選手。銅メダル獲得後新聞記者から「何故アーチェリーをはじめたのか?」と聞かれた時の答えがふるっていました。「あまり動かなくてすみそうだし、何か楽しそうだったから」というものでした。
その時思ったものです。五輪に出られるくらいだから当然かなりきつい練習をして来たに決まっています。また、私の知る中でもコンセントレーションを最も必要とする競技なのですが、前述の「あまり…」です。「おい、おい、それで銅メダルを獲るなよ(笑)」と嬉しくなってしまったものです。このチーム、ゲーム以外の時もリラックスをすることが重要なので結構ロンドンの観光地を見て回っていたようです。
日本人はどうしてもストイックに自分を追い込んで勝負をしてしまいがちですが、脱力系ニュータイプのスポーツウーマンの出現です。
                     ★
さて次なる感動は女子サッカーなでしこジャパンです。これまでは“なでしこ”と言えば澤穂稀となってしまいましたが、今回はベテランに代わってキャプテンとなった宮間あやが、スポーツをする人間の原点はこうあるべきだという行動を見せてくれました。TVも新聞も勝敗だけ、結果だけを追いかけていて、メディアにそのことが載ることはあまりなかったのですが、世界の目はそんなシーンを逃さずとらえていました。
昨年のドイツでのワールドカップでも、決勝の試合後落ち込んでいるアメリカ選手と一人一人ハグして讃えあっている姿がありましたし、今回のオリンピック準決勝のフランス戦後も相手のうなだれて立ち上がることができないフランスの選手たちに寄り添い、言葉の壁を越えて慰めようとする宮間あや選手がいました。その気持ちを理解し、心を通わそうとするフランスのAbily選手。
これですよね。これが国際感覚のあるプレイヤーの姿だと思うのです。この写真1枚で十分すぎるほどの説得力があると思います。
勝った負けたは、その時の運もあるでしょう。でもどちらの結果になろうともその後の立ち居振る舞いが人間の格というものを表すことになるのだということです。宮間という、ここにも新しいタイプのスポーツウーマンが現れてきました。その姿を見ていた“チームなでしこ”のメンバーは見習って行動するでしょう。
                      ★
こんな2つの事例に感動して得た私なりの現在の結論はスポーツの理解度、普及度は金メダルの数ではなくメダル総数と入賞者の数ではないかと感じてきています。因みに獲得総数では38個で6位。金メダルは7個で11位。銀メダルでは14個で7位。銅メダルでは17個で5位となります。4年後のブラジルも楽しみです。
それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。