怒涛の8月シリーズ – なんトラ68

ようやく関東地方も梅雨があけました。
あと残るは東北地方だけのようですね。
やはりじめじめしているよりは、夏は夏らしく、カーッと晴れている方がボクとしては好きですね。なんてったって8月生まれの獅子座でO型なのではっきりしているのを以って良しとする性格ですから。ハイ。
 そして今年の誕生日にはついに3度目の成人式を迎える歳になるわけで、よう生きてきたなと吾ながら感じています。
でも、子供の頃から30代くらいまでに今のボクの歳の方をなんとはなしに観察してきましたが、ボクの今の精神状態より、もっともっと大人だったような気がしてなりません。まだまだ修行が足りんのでしょうな。全力でもっとトライせねばいけないのですね。
 
 そこで、この夏はスケジュールをフルに入れてしまいました。
などと言うとかっこいいのですが、フリーランスの身にとっては来る仕事はどんなものでも断らず、楽しんで行こうという主義を貫き通したら凄い事になってしまいました。もっとも雄彦御大から比べればどうってことない量なのですが、喜ばしいのはかなりの数のケイジャー(バスケのプレイヤー)に会える事です。
 8月1日から7日までは大阪インターハイの取材。
 途中の4日の夜はスカパーの世界選手権特別生番組が東京であるので帰京して座談会をして、翌朝一番で大阪に戻り、また取材を続行します。
 5日の夜には四国の香川の高松へ入って、
 6日の朝からファイブスター・バスケットボール・キャンプです。
 7日の午前中には大阪に戻り、インターハイの決勝を取材します。そして夜には東京に帰ります。
 13日は地元・狛江(東京)でのファイブスター・キャンプがあります。
 そうこうしているうちに世界選手権の本番が目の前に迫ってきます。幸せな事にアメリカチームを中心に解説を…ということなので、
 17日には札幌入りすることになっていて、19日から予選リーグの解説が始まります。
筑波大のヘッドコーチの吉田健司さんと交代で解説にあたりますが、吉田さんもチームを見ている関係もあってボクが1日に3ゲームする日もあるようです。
 23日に予選リーグが終わり、翌24日に帰京。
 25日からさいたまアリーナでの決勝トーナメントとなります。
 しかし、ここでまた27日に一宮(愛知)でファイブスター・キャンプです。26日の夜に一宮入りし、キャンプ終了後にとんぼ返りするのです。
 28日から9月3日の決勝までは埼玉に詰めっきりです。

 自分で書いていても疲れますが、読んでいるみなさんはもっと疲れるのではないかとおもいます。インターハイ、キャンプ、世界選手権で大雑把に会えるバスケ関係の人の数を数えてみると2700人位になるんでしょうか。皆と話すわけじゃあないけれど、凄い事になっちまいました。ホント。こんな仕事が本当のHOOPHYSTERIAっていうんでしょうな。

 このなんトラ68がアップされるころには“怒涛の8月シリーズ”に突入しております。もし、ヘロヘロになっている島本を見かけたら滋養強壮ドリンクなんぞを1本恵んでやってくださいませ。同じドリンクでもモット利くのがあるぞ、という方はそれをお願い致します。

 それでは…生きていたら次回の「なんトラ」までSee You!。


ボクのワールドカップドイツ大会 – なんトラ67

 6月上旬から7月上旬なかけてはホント、サッカー一色でしたね。
 ほんの10年前までこんな形で楽しめるとは夢にも思わなかったものでしたから、サッカーに携わる方々の努力と執念には頭が下がります。
 結果としては日本チームは1分け、2敗。まだ、たった(と言っていいのかな?)3回目の出場ですから、将来に対する課題がはっきりしたのですから良しとしなければいけないんじゃないかと思う島本でした。

 関係者やサポーターの方々の気持ちは充分すぎるほど分かるのですが、シュートひとつを取ってみても、日本選手のは“ポーン”という音だとするならば、諸外国、特にアフリカ、南米の国々のプレイヤーのシュート音は“ドカーン”でした。かなわんなと思わされましたです。

 そんなゲームを観ながらでしたが、その間、我が家にはオランダからのファミリーと、イタリアと日本のカップル(夫婦)が訪れてくれました。
まずはなにはともあれそんな時はワインで乾杯となるのが習いですが、どういうわけかまず、イタリア、そしてアルゼンチン、フランスと軽~く空けてしまったのです。たまたま家にあったものでしたが、その各国のワインに引っ掛けて大いに話が弾みました。

 決勝トーナメントに入った頃だったのですが、TVのニュースでちょうど選手たちが帰国の場面が出ていたのですが、「あれっ、日本選手は決勝まで見ないんですか?」とびっくりしていました。「せっかく良いチャンスなのに、なぜ?」と不可解な表情をしていました。

 まあ、いろいろな事情はあったのでしょうが、若いこれからの選手もいるわけですからね。スタッフやキャプテンは戻ったとしても見せてあげたかった、感じさせてあげたかったなぁと、ボクも素直に思ったものでした。

 そして7月3日、突然の中田英寿の引退宣言。ビックリはしたものの、孤軍奮闘、孤高の人なんぞというレッテルを貼られた彼の気持ちはHPによ

く表れていましたし、自分なりの結論づけがあったのでしょう。前々からなんとなく感じていたのですがボクにとってサッカーの中田の存在は、野球のイチローとダブルのです。さらにNBAのMJことマイケル・ジョーダンとも…。

 3人の共通点は4つあると思うのです。前2者には取材したことはないので独断、偏見であることをお断りしておきます。
 ① 負けず嫌い。
 ②頂点を目指しあらゆる可能性を探り努力する。
 ③勝つことに対する飢えを持っている。
 ④性格的にあんまり可愛くなさそう。
というものです。

 ①、②に関しては自分ひとりで完結できるものです。
 ③に関しては他を巻き込まねばできぬものゆえ、「今大会の日本代表の可能性はかなり大きいものと感じていた、今の日本代表選手個人の技術レベルは本当に高く、そのうえスピードもある。ただひとつ残念だったのは自分たちの実力を100%出す術を知らなかったこと。それをどうにか気付いてもらおうと4年間やってきた。時には励まし、時には怒鳴り、時には相手を怒らせてしまったこともあった。だが、メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった」と書いています。なんか似ていますよね。

 さらに④の項目を中田は“サッカーに対する愛”を大事にするため、「ある時はまるで感情がないかのように無機的に、またある時はあえて無愛想に振舞った」とも書いています。

 サッカーに対する…を、バスケに対するに変えてみるとそっくりです。
 なんだか中田君、スコッティー・ピペンがいないMJの状態のようです。否定論、肯定論いろいろあると思いますが、これが彼の運命なのかなとも思います。
 そして無責任に観測できる専門外のサッカーですから言ってしまうと、しばらく離れていて納得できたらまた、戻ってくるんじゃないかと思うんですね。人間がやることですし、何があってもおかしくないと心底感じているからです。

 そして、ここからがボクの本当のワールドカップです。
 こちらは8月19日から9月3日までやる2006年FIBAバスケットボール世界選手権です。絶対に楽しめる事は請合います。
 何しろ世界中でバスケをプレイしている人が4億5000万人いるなかの天才288人が日本に来てくれるのです。面白くないはずないじゃありません

か?。日本代表は若手で試合に臨みます。サッカーの轍を踏まぬよう、思い残す事のない精一杯の闘いをして欲しいと思っています。どんな状況になろうともすごく大きな経験を積めるのです。
 19日から24日までが予選リーグ。札幌、仙台、浜松、広島で行われますが、札幌の目玉はNBAのスター軍団を擁するアメリカ。広島は我が日本代表が闘います。しかし、ボクは仙台と浜松にゲームを観にいこうと計画していました。シブイんです。出場チームが。

 仙台はナイジェリア、フランス、レバノン、ベネズエラ、アルゼンチン、セルビア・モンテネグロの出場ですが、フランス、アルゼンチン、セルビア・モンテネグロはNBAプレイヤーとその予備軍がザラザラ。
浜松はカタール、リトアニア、オーストラリア、ブラジル、トルコ、ギリシャの出場ですが、ここはオセアニア1位のオーストラリア、ヨーロッパ1位のギリシャ、アメリカ1位のブラジルと大陸代表とワイルドカード(推薦枠)のセルビア・モンテネグロとトルコです。カタール以外はすべてNBAプレイヤーが出てくると見られています。

 しかし、TV解説の仕事になってしまいました。札幌に行くことになりそうなのです。ぜひ、特に宮城県、静岡県にお住まいの方、ボクの代わりに現場に足を運んでください。こんな世界レベルの大会は1964年の東京オリンピック以来、42振りなのですよ。これを見逃すと生きているうちには来ないと思ってよいでしょう。

日本チームはサッカーの轍を踏まぬよう思い残す事のない戦いををして欲しいと思っています。

 いよいよ酷暑本番です。ご自愛くださいませ。それでは次回の「なんトラ」までSEE YOU!


Legend・バスケは誰のもの?

日本バスケ界のもうひとつのプロ、Legendが発足して早くも2シーズンが終了しました。既にシーズン3が開幕しています。なんでも今回は5カ月という長丁場とのこと。
今回は、その長~いシーズンのプレイベントとして開催されたLegend eXをレポートしようというわけですが、その前にまず、シーズン2のグランドチャンピオンシップ(5月27日)を簡単に振り返っておきましょう。

レギュラーシーズンを終えた段階で、ポイントトップはST。それにCHRISとFUJIが続く形です。CHRISとFUJIは前シーズンに続いてのトップ3入り。STは前シーズンは途中からの参戦だったため、ほぼ半分の出場でランキング9位。それでもトップの半分以上のポイントを稼いでいたとあって、本人にとっては今回のトップは当然の結果だったようです。その口ぶりからも自信がうかがえます。
初戦はまずFUJI対CHRIS。FUJIチームに入った仮エースの引退宣言が場内をどよめかせる中、本気を見せたFUJIがインサイドを支配。サイズ的に不利なCHRISチームはマッチアップを代えても対処しきれず、第3ラウンドでKOとなりました。競技バスケで中・高・大と全国制覇を経験しているFUJIの地力が出た格好です。
続いてST対ATSUSHI。初代チャンプのATSUSHIとしては、病気欠場となったTANAの分もと心に期するものがあったとは思いますが、「そんなことは俺には関係ない」とばかりにSTがガツガツ攻めて、初代チャンプはここで姿を消すこととなります。
というわけでファイナルはST対FUJI。初戦であれだけ猛威を振るったFUJIのポストプレイが鳴りをひそめ、STの1on1の強さが際立ちます。そんなこんなしているうちに、最後はSTチームのJUNが3ポイントを決めてあっけなくKO。STが栄えある2代目チャンピオンの座につき、一言。「こうなることは最初からわかっていた」。
それにしてもちょっと妙な感じがしたのは、「STは野武士的なキャラのわりに結構しゃべるなぁ」ということ。せっかくMAMUSHIというしゃべりの上手いMCがいるのだから、彼に話を振ってもらってやっとボソボソと話すという形にしたほうがもっとキャラが立つのに……なんてことを思ってしまいました。「俺はめったに笑わない」って、それを自分で言っちゃうのってどうなの?
それに、前述した“半分しか出てなくてトップの半分以上のポイントを稼いだ”というのもST自ら口にしたことです。なんかそこまでちゃんと勘定しているというのが意外というか、似合わない気がしました。「数字なんかどうでもいい。誰が一番なのか、見りゃわかるだろ」ぐらいのスタンスでいてほしかったというのは勝手な考えかしら?
競技バスケであっても、あるいは野球やサッカーといった他のチームスポーツであっても、選手一人ひとりの個性が前面に出たほうが面白い。Legendは個人戦なのですから尚更です。そういう意味では彼のような個性は貴重ですから余計にそう感じたわけです。細かい突っ込みかもしれませんが、これはLegendボーラー全員に言えることだと思います、はい。その点AJやぬまはLegendにふさわしい選手(というよりエンターテイナー)ですね。
とにもかくにも、SUPER FIGHT2に出場したDOCTOR Bこと中元剛(元JBL東芝)が興奮気味に「もうJBLじゃない。これからはLegendっすよ!」と言ってみたり、続いてSUPER FIGHT3に登場したKILLA Bこと青木康平(現bj東京)も「Legendもbjも同じバスケ。みんなでバスケを盛り上げましょう」と言って場内から喝采を浴びたり、Legendの存在は確実に大きくなってきていることを感じました。

と、思わず前置きがちょっと長めになってしまいました。では、6月27日のLegend eX@渋谷O-EASTに話を移しましょう。
最初のカードはビッグマン対決、FUJI&KAZ対TAKE&LINDZ。シーズン1から参戦予定ながら怪我のためようやくのデビューとなったKAZは、ミドルショットを得意とする197cm。一方のLINDZは、ALLDAYトーナメントでおなじみSUNDAY CLUEの一員。そんな初参戦同士の対決は、ジャンプショットやドライブからのダンクで魅せたLINDZ組が28-8の圧勝。ちなみにFUJIのアフロは初参戦時に比べて1.5倍増(当社比)だそうです。当社比って!!
続いてのカードは、女性ボーラーと車椅子ボーラーがチームを組んでの対決。個人的にはこの日一番注目していたカードです。かたや、日本人初のNCAAスカラシップ(奨学金)プレイヤー・SHINKO(富永慎子、元JOMO)と、“勉直”YASU(安直樹)。そして、3月まで富永とチームメイトだったYUI(花田有衣、元JOMO)と、障害者国体神奈川代表のNAOYA(本名失念、ごめんなさい)。代表の金井真澄氏によると、特に女性2人はノリノリでの参加だったそうです。
この勝負、シーズン1のグランドチャンピオンシップにおけるエキシビションで健常者との対決を既に経験しているYASUが有利かと思いきや、ところがどっこいキレのある動きを見せたのはNAOYAのほう。SHINKOのシュートも不発に終わり、18-12でYUI&NAOYA組が勝利を収めました。元々トリッキーなスタイルのYUIには、ストリートのほうが合ってるかもしれませんね。
第3カードでは、AJが連れてきた謎のアメリカ人がついに登場、その名もセバスチャン! まるで金髪アフロの仲本○事(土曜8時をイメージしてください)といったいでたちですが、どこかで見たことがあるような……そのことをMAMUSHIが訊ねると、AJが訳のわからない言語で通訳し始めました。「≒¥♭※かりえーす£★$……」「仮エースって言ってるじゃん!」……MAMUSHIに限らず、誰でも突っ込むところです。1カ月前に引退したはずなんだけどなぁ。
そんなセバスチャン、インディアナから来日(?)した目的は世界選手権のPRだそうで。CMが流れるまでは日本で開催されることもろくに知られていなかった、あの世界バスケですね。世界バスケ、世バス、セバス、セバスチャン! いったい誰がどうやってこんなことを思いついたんでしょうか(爆)。せっかくTANAが病気から復活したのに、完全にAJとセバスチャンに食われてしまいました。
でもゲームはTANA&MATSUの勝利。インディアナの英雄ラリー・バードばりのシュートフェイクも披露したセバスチャンですが、デビュー戦は敗戦。しかし、これから何をやらかしてくれるのか楽しみです。
そして第4カードはATSUSHI&STという過去2回のチャンプに対し、その2回とも涙をのんだCHRISがパートナーにHUMMERを選んでリベンジという趣向です。この日を最後にSTがLegendを離れるとあって、CHRISにとってはSTを叩く最後のチャンス。ポンポンとミドルシュートを決めてきます。しかしSTとATSUSHIの突破を止められず、CHRISはまたも敗れ去りました。
ただ、そのCHRISがイベントの最後に残したコメントは素晴らしいものでした。「このコートは誰にでも入る資格がある。みんなの場所なんだ」。まさにその通り。選手はもちろん、MCやDJ、観衆も一体となってこの空間が作られているのです。日本にも熱いバスケファンがこんなにいたのかと思えるほど、お客さんのノリは良いですからね。CHRISの言葉、どこかのお偉いさんに聞かせたいセリフです。

エンターテイメント性の話ばかりしてしまいましたが、最後にゲームの質について触れておきます。Legendは競技バスケで上のレベルに届かなかった人の集まりでしかない……そう思う人も多いかと思いますが、それは正しくもあり間違いでもあるという気がします。
ストリートでは、多少の接触ではファウルを取られません。ということは、相手が体をガンガンぶつけてきてもボールをキープしなければならない。ストリートの選手にボールハンドリングの良い選手が多いのはそのためです。また、Legendを見ていると、難しい体勢からシュートをねじこんでバスケットカウントという場面がかなり見られます。そうした球際の強さは、シュートブロックの際も容赦なく止めにいく激しいボディコンタクトが生んだもの。速攻を止めたら簡単にアンスポーツマンライクファウルを吹いてしまうJBLでは、そういう意味でのタフさはなかなか出てこないと思います。
そのタフさの象徴ともいうべきSTが、bjリーグ・富山グラウジーズと契約しました。Legendを離れるのはそれが理由だったのです。ストリートからNBAに這い上がり地位を築いた“スキップ・トゥ・マイ・ルー”ことレイファー・アルストンのようになれるかどうか、今後の日本バスケ界にとって大きな意味を持ちそうです。