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6月の22日から24日まで岩手の大槌町に行ってきました。3ON3の桜木杯が行われるからでした。
昨年の暮れ、12月19日に代々木第2体育館で行われた“バスケの日”のイベントに矢野アキ子さん、河谷秀行さん、三浦克彦さんの3人がはるばる来てくれて観戦してくれたことからが始まりでした。
そのときにお聞きしたのは「花道プロジェクトというものを立ち上げて、バスケを主体として大槌の町を元気にしたいのです」と言うことでした。頂いた名刺の裏には、

我々花道プロジェクトは
大槌町にある桜木町に
桜を植樹し、花道を作っています。

この「桜木の花道」をシンボルとして
バスケで町の活性化を計り、

大会の開催をはじめ、子供から大人まで
もっとバスケを楽しめるように
アウトコート建設も計画しています。

と宣言しています。
大槌町が大震災時の津波で甚大な被害を受け、多くの方々が亡くなられたことは知っていました。ボクも被災地に対して何かお手伝いできることはないかとず~っと考えておりました。でも、押し付けがましいことは嫌でしたし、ボクらしいお手伝いができることはないかと探していたのです。
お話を聞いたときピ~ンときました。これならば、バスケでならば、何とかどんなことでもお手伝いできるかもしれないな…と。
そこで1月に能代に行った帰りに大雪の大槌を訪ねました。そこで現地のメンバーとお話して更にいろいろな状況が見えてきました。丸2年立つのに今まで町のあったところはまだ更地のまま。だんだんボランティアの人たちも少なくなり、復興の作業をする人たちも減っていき、経済の活性は落ちるばかり、というのです。
「一般の生活をする人たちにとってどうなるのが一番良いのですか?」と単刀直入に聞きました。すると、「大槌に来ていただいて現状を見てもらい、泊まって、食事や呑んでいただいて、お土産を買っていってもらうというのが一番効きます」という答えが帰ってきました。
「うん、それならばボクにもお手伝いできるかも」と思いました。
さぁ、それから皆に声をかけ始めました。5月の連休にはプロジェクトのメンバーが能代カップの観戦に訪れたことで交流が生まれ桜木杯に市役所チームと石井ファミリーの2チームが参加を見て10人。岡田優介会計塾の同期生も10人ほど、その他にもバスケットボール振興会の理事の方、HOOPHYSTERIAのメンバーの方など約40人近い人数が集まりました。それぞれ電車で、車で、レンタカーで参集したのです。
ボクには4つの思いがありました。

1.なるべく多くの人に大槌を見てもらいたい。
2.バスケ好きはどこにもいる、ということを体感してもらいたい。
3.大会にも参加、出場してもらいたい。
4.そして大槌でお金を落としていってもらいたい。

と。その思いは後で皆さんからメールを貰ったり、直接お話を聞いたりした所によると来て良かったという声が多かったので通じたようで一安心です。
ある人は「震災の爪あとを目の当たりにして、何か自分にもっと出来ることはないのか?というきっかけになりました。花道プロジェクトを引っ張っていらっしゃる矢野さんは広島から来ていると聞いて驚きましたが、気持ちと行動でいろいろな支援が出来るのだ、と非常に感銘いたしました。今回だけで終わりにせず、自分なりに出来る支援を続けて生きたいと思います」。
国会議員でも復興担当で経費で被災地に来ているかたと、自費で勉強のため現状を見に来ている方では、かなりの温度差があるといいます。良き化学反応が出てきた用で嬉しく思っています。
復興には時間がかかると思います。ボクも腰を落ち着けてしっかり根性を入れて、応援をしていきたいと思っています。読者の皆さんも出来たら来年行ってください。大槌に。

それでは次号の“なんトラ”まで、ごきげんよう。