bj滋賀レイクスターズの2010―11シーズン、第1週の開幕2試合目の解説で滋賀県野洲総合体育館に行ってきました。今シーズンのファーストゲーム解説です。
いまだに自分の人生の中で、まさかバスケットボールのTV解説をするなんて夢にも思っていなかったボクが、その後20年程のTV解説の仕事で経験してみて最も理想的な解説形態がここレイクス・ゲームにはあるのです。
それは地域のバスケをあまり知らない人たちのために、難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことをゆかいに楽しく伝えることができるという第一の使命としての原点がそこにあるからなのです。これは何にも変え難い喜びです。
今までの日本のバスケ(日本リーグや協会主催のオールジャパンまたは国際試合)に観戦をしに来る人々はほぼ80%から90%までがプレイしていた経験者です。ところがbjはそのまるっきり逆バージョンで初めて見に来てはまった人ばかり。つまりようやくファンにも目を向けるリーグが出来たということです。
NBAの放映がスタートした時と同じです。NBAの存在を知らないか、知ってはいても観たことは当然なく、報道で知ったというだけの方々がTVを観はじめたときと同様なのでした。20年以上たったいまや、NBAを放映する各局は視聴者が成長してきたので技術的なものの解説を追い求める放送になっています。
バスケをやってきたファンは技術的なものは見るだけで分かります。しかし番組を見ている人々は圧倒的にバスケットを知らない人たちなのですから、細かい裏側の人となりや育ちっぷりのようなエピソードで引き付けなければいけないとボクは思うのです。番組を作る側は視聴者が成長してしまうと原点を忘れてしまうのですね。
滋賀県では初のプロチームがレイクスターズですが、チームと地元企業、地元メディアの関係が素晴らしくフィットしているように思います。3者が寄ってたかってバスケットボールというものを使って、ファンの方々に楽しんでもらおうとしているということが凄く分かるのです。
3年前にbjに加盟しチームがスタートした時のレイクスは、オーナーの坂井信介氏もバスケットボールについては素人、チーム運営についてはレラカムイ北海道でインターンをし経験を積んだという方、また応援をしようとしていた地元企業の経営者の方々もバスケを見るのも初めてという状況、そして地元のTV放映に携わっているBBC(びわ湖放送)も初めてバスケットの放送をするというお初尽くしだったのです。
だから良かったのでしょう。皆、自分たちの立場ですべてに真剣に考え、試行錯誤をくりかえして形を作っていったようです。知らず知らすのうちに原点に立ち返ることを毎回やって行ったのでしょうね。
Bjはチームだけは16チームと増えてますが経営的にはまだまだ黒字になっているチームは少ないと思いますし、非常に苦労しているのではないかと思われるのです。だって、NBAでさえ1946年に生まれてリーグが安定しだしたのが1980年代の中盤からなのです。40年くらいはかかっているのですよね。
変なたとえですがボクは1946年生まれの同い年ですから、自分の考え方が安定したころのことを考えると40歳くらいだったということを思い出します。だから納得します。
地道にコツコツチーム作りをしている滋賀レイクスターズは要チェックだと思いますので注目していてください。そして地域の方々は末永い支援をしてやってくださいませな。よろしくお願いいたします。
それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。