早いものでもう1か月もたってしまいましたが、6月30日の水曜日に登山(1251m)に行ってきました。
登山と言っても近場。我が家が使っている小田急線の伊勢原(かなり小田原の傍)というところにある大山です。大山といえば江戸時代より阿夫利神社の参詣が有名で、途中までケーブルカーが通っていてすこぶる便利なロケーションです。ケーブルをおりて下社(しもしゃ・下の神社)まで参道が整備されていて両側にお土産屋さんがずらっと並んでいます。
また、この大山はお豆腐が有名なところで、以前行った時は下社参りの後に途中の茶店で、湯豆腐で一杯なんてしゃれ込んだこともありましたっけ。ですから登山などと言っていますが“なんちゃって登山”という感じと思っていました。
ですが今回案内をお願いしました山のお師匠さんは、槍だ穂高だというのもやっつけてしまう本格派の山男で、HOOPHYSTERIAのライターでもあり、スポニチの記者である高柳昌弥さんですから、前もってメールで装備のこともキチンと指示してくれましたのでまるっきり違いました。とは言っても「前に山らしきものに登ったのは何時だったろうか?」と考えましたが記憶に全然ないので、自分なりにウェアやザック、シューズなどを装填しておもむいたのです。学生時代には若さに任せてスニーカーなんかで行っていたのだろうと思います。
山に慣れている高柳さんのいでたちとボクのいでたちにはかなりセンスの隔たりが見て取られ、自分としてはまったく見られたものではありませんでした。“なんちゃって”なんて考えていること事態に問題があります。かっこよくなどというのは望むべくもありませんがそれなりにというのは考えますものね。
下社から歩き始めていろいろレクチャーを受けつつ、すべて次回から徐々に揃えようという考えに到りました。歩き始めて15分程たったら早くもハプニング。コンバースの軽登山靴のソールの接着剤が劣化してはがれ、右足がパカパカになってしまいました。…恥ずかしいの何の…。頭の中には一瞬「こりゃ駄目だ。もう帰ろう」なんて言われると思いましたものでございます。
ところが師匠、ニコニコして「久し振りに登ろうなんていう時に良くあるんですよ」と普通は足首に巻くテーピングのテープで固定して下されました。そして「左足もなると思いますから、その時にはこのマジックテープのベルト(100均で講入だそうです)した物で固定しましょう。テープはもうないですから」。凄い危機管理(リスク・マネージメント)です。感動でした。
ボクの歩き方、スピード、リズムなどを見つつ先導してくれたのですが、最初は3分登って1分休み。しばらくすると5分で1分。7分で1分と調整してくれました。歩いている時も「下ばかり見ないで先を見ましょう」とか「ストック(杖)は登りは2本で短め、下りは長めに山側の手に持ち1本で行きます」、「小刻みにステップを踏んで」などのレクチャーで登って行ったのです。
通常の慣れた登山者であれば1時間45分ほどで着くルートを2時間10分で山頂に到着しました。それほど疲れは感じません、でも途中で何回か水分補給をしましたが、ここ20年位で最も水が美味しく感じられたのです。これが山に来た効果なのでしょう。さらにこの後、師匠は山の楽しさを味わう経験をさせてくれました。
山頂での昼食です。伊勢原のコンビニでカップめんを買うように言われていたのでボクは一番小さな“緑のたぬき”を求めましたが、コッヘルという簡易コンロ(直径15cmくらいの小型の物)でお湯を沸かし食べ、珈琲も頂いたのです。温かいものは疲れた時には最高です。食後の珈琲も美味しかったなぁ~。
そして下りです。登山者にとっての難関は下りだそうです。楽だと勘違いしてどんどんスピードを上げてしまい最後には膝が笑うという表現がぴったりの、疲れでカクンカクンになるというのです。気をつけてゆっくり歩んだつもりでしたが、ボクの足はゲラゲラ笑っておりました。下りは2時間半でした。合計4時間30分、良く歩きました。
真夏、盛夏の今は変わっているでしょうが、今回の一番の誤算は“ヒル”でした。漢字では“蛭”とかきます。ナメクジの小さい感じの奴で普段は田んぼなどにいますが、梅雨時の丹沢山塊は大量発生するのだそうです。ボクも両足をやられました。なにしろ気持ち悪いんですな、これが。師匠の背中には何匹か這っておりましたね。
そんな事故? もありましたが、気持ち悪いのの解消に、お隣の駅の鶴巻温泉の“弘法の湯”という市営の温泉場でひとっ風呂浴び、蕎麦をたぐって帰還いたしました。登った達成感、お水の美味しさと温泉に蕎麦。癖になりそうです。
年内にもう一度いこうということになっております。
さぁ、まずは最も大切なシューズを買いに行かなくちゃ。師匠一緒によろしくです。