サッカーのワールドカップが終わりました。日本チームはベスト16まで進み、素晴らしく感動的なマッチを見せてくれました。
 それほど熱心にサッカーを見ていた訳ではありませんが、1998年のフランス大会以来、結構、要所要所ではウォッチしていますからその成長の度合いは感じられます。誰が見ても感じられたと思うのですが、今回のチームの勢いの源は若いプレイヤーだったということです。フォワードの本田、ディフェンスの長友、そしてゴールキーパーの川島の成長、躍進に負うところが多かったと思います。
 この若きプレイヤーたちの恐れを知らないトライの精神が岡田ジャパンを変化させ、ケミストリーを生んでいったとボクは思います。
 戦前、負け続けのチームは散々酷評され、良い芽はひとつもないような報道一辺倒だったことは皆さんもご存知のところでしょう。新聞、ラジオ、テレビというメディアはそんなものなのです。さんざっぱら悪い面を叩きまくり、良い結果(目標のベスト4ではありませんが…)が出ると、手のひら返しの報道です。それぞれどのような書き方、報道の仕方の違いがあっても一般大衆の注目を集め、それによってスポンサーを獲得できればよいという図式なのですね。
 でも、そんなひどいメディアもそのチームや団体が弱く、組織も脆弱な時には応援の姿勢を持ち合わせているものです。そしてチームや団体も強く勝ち始めると対応が横柄になってきてしまうのです。まあ、どっちもどっちというところなのですがね…。

 ボクはサッカーの専門ではありませんから偉そうなことは言えませんが、ベスト4に行けるかどうか分からないけれど、それを目標に行ったからなんとか16までたどり着いたのではと思います。率いる人間の言葉によってプレイヤーはイメージを作りますから、言葉以上の位置にはなかなか行けないものです。こんな時の表現としては“腹が一杯になってしまった”と言う感じです。自分たちの実力を考え、コーチが言う到達点から見ればこの辺だろうというところだと思います。

 ワールドカップに出場してまだ4回目。今回は大出来だと思います。これ以上を望むというのは先達に対して失礼というものです。全チーム予選リーグを突破した南米勢、そしてオランダ、ドイツ、スペインは素人目にもかなり上のサッカーをしていたように見えました。
 でも長友、川島がヨーロッパのチームと契約するなど、更なる経験を積める場にステップアップしました。このような一人一人の1歩1歩が日本代表を押し上げていくのでしょう。

インタヴューも機会あるごとに聞いていました。彼らの受け答えに興味があったからです。最初の頃はプレイヤーたち皆がまず「そうですね」から答えはじめていました。凄く聞き苦しかったのを思い出します。
しかし、日を追うごとに答え方のバラエティーが広がり始めたのです。一番最たるプレイヤーは本田圭祐君でした。カメルーン戦の最初の得点を上げ、エースに祭り上げられましたから常に談話を求められ、鍛えられたのかなとも思います。そのなかでも、
「常に応援してくれたファンも、批判してくれた方の意見もすべて自分のためになりました。それがあったからここまでこれました」。
という言葉を聞いた時には「すごい、大試合と言う物はここまで若いプレイヤーを育てるものか?」と思ったものです。
バレーボールの全日本がミュンヘンで金メダルを取るまでには3回のオリンピックが必要でした。その時も選手の談話がどんどん記事になりやすい形に成長して行ったのを思い出します。
今回のワールドカップでは、ワンランク上を目指せる素地がようやく出来てきたなと感じさせて貰いました、これからの日本を代表チームをさらに注視して行きたいと思います。

さて、わが日本が活躍することも嬉しいし楽しいものですが、各国のお国柄やいろいろなエピソードも知れて楽しめました。これはTVの裏情報的なものでしったものですが笑えました。
「イギリス人のこれまでの歴史上で最も大きな失敗は、ブラジル人にサッカーを教えてしまったことだ」。
「イタリアではワールドカップで自国の試合があるときにはすべてがストップする。飛行機は飛んでいないし、ローマ、ミラノ、ナポリなど町の中に車は通っていない。人も歩いていなくてゴーストタウンのようになる」。
「一般的なイタリア人の興味はまずサッカー、そして女性、ずぅ~っとランクが下がって仕事かな」。
「ブラジルに言わせると、ブラジルにとっての南米でのライバルはアルゼンチンだけ。他はサッカーはやっていないんじゃない?」。

凄いことを平気でのたまうものです。バスケにはまだ各国のこんな文化を感じさせてくれる言葉は出てきませんね。

それではまた、次回の“なんトラ”までごきげんよう。