2010年、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお付き合い願います。
 そして、タイトルの如く…。何はともあれ年賀状だと私は思っています。
 年が明けて1月元旦の朝は、まず郵便受けのチェックからスタート。かなり多くいただいているの賀状を手に居間に入ります。
その後に家族一同の「おめでとうございます」があって、お屠蘇に、おせち、そしてお雑煮と来るのが我が家の伝統的しきたりでございます。まぁ、どこでも一緒でしょうか。最近ではお屠蘇も日本酒だし、子供たちも巣立ってしまったので、新年の挨拶もわが親愛なる相棒にだけ、おせちもほんの僅かしか作りません、寂しいものです。なにか正月気分というものもずいぶんと希薄になってきています。
 でも、お雑煮を食べないと年が明けた気分にならないとかで、こどもたちも戻ってきますし、年賀状だけは正月気分は今年も濃厚です。
 いまや、メールで送るという方もおられるのは存じておりますが、やはり主流は郵便でしょう。手にとって見るという実感が欲しい私です。
 おせちとお雑煮をつまみにお屠蘇をちびりちびりやりながら1枚、1枚めくりつつ出してくれた方の来し方を想像したり、個人の生き方の流れを読むのも楽しいものです。賀状だけのお付き合いになってしまった方でも、自分の人生の一部分で一緒に行動していた方々ばかりですから読む方の思い入れも違います。
 だからといっては何ですが、こちらも出す賀状には精一杯力を込めています。
 まず11月頃に用紙の選定から始まります。本当に幸運なことに、息子を通しての友人で家族付き合いをする程に仲の良い紙の商事会社を営む方がいて、用紙を提供してくださります。最初の頃はその友人の会社が催すペーパーショウで配っている、はがき大の紙見本を使って賀状としていました。紙見本というものはその時は「いいな」ということで貰ってくるのですが、棄てられる運命にあるものでありまして、メモなどにもしていましたがあまりにも良質なので、もったいないと思って賀状に使用したのです。いい味が出たものです。
そして次に、干支の十二支の印を彫り上げます。遊印といって石の印材に図柄を決めて彫るのですがそのデザインを決めるのもなかなかの楽しみ。いつも1年中頭の中に図柄の良いもの、そしてヒントを探すスウィッチをオンにしています。あまり細かいものは印に適さないのでデフォルメされたものを探します。
最後は中に入れる文字となります。良いと思った自分が感じた短い文を筆でしたためます。書を習ってはいませんが文章を扱う仕事でしたし、筆で字を書くのも好きでしたので自己流で一気に書いてしまいます。そしてレイアウトして印刷です。
B4の用紙にはがきを4面付けして、簡易印刷のリソグラフにかけます。100枚ほど印刷しますから400枚になるという計算です。その後カッターで裁断、そして印を押して完成です。すべて手作りですから費用もかからず、自分でもそれなりに満足感はあります。こんなのを自己満足というのでしょうね。
宛名もすべて自筆で書きます。それにチョコチョコっと文を加えますので、時間はかかります。年が明けても必死に書いています。そのうち、1月元旦に全部着くようにしたいものです。作家の故池波正太郎先生は自筆の絵を描いて出したといいます。ですから賀状のスタートは夏からという徹底のしようだったそうです。そこまでは中々ですが、今年の目標は少しでも良いので近づきたいものです。

今回は2010年第1回の“なんトラ”ですから皆様にも年賀状をお出し(?)しましょう。自戒の念も込めた文字でございます。
あらためまして、本年もよろしくお願いいたします。

それでは次回の“なんトラ”までSEE YOU!