我が家は能代工高のそばにあります。
今能代工高は合併に向けて大規模な工事が行われており、敷地内は工事車両が置かれていたり、いつもと全く違う様子です。
日中は響きわたる工事の音も、夕方5時あたりが薄暗くなるころには止んで静けさが戻ります。
しかしこの3月後半はこの夕闇の中で違う音が聞こえてきます。
ドリブルの音、何人ものバスケ部の子たちが工事の終わった校地内の空き地でせめてもの練習をする音です。日中はそれぞれ市内を走る姿も見られます。屋外に設置されたバスケゴールが何か所かあり、そこにもバスケ部の子の姿が見られます。
子供たちの友人は各地にいて、私立の子たちは練習しているという情報も知っています。
でも彼らに許されているのは、自主練だけ。市内すべての体育館が学生の使用を禁止していて使える施設もなく、彼らなりに考えた結果です。
子供たちが頑張っている姿を見かけた人たちは、子供たちはどんなに歯がゆいだろう、どんなに焦ってるだろうと案じてくださいます。
そして32年続いた能代カップが中止となりました。
主催団体の決定が出た次の日、地元新聞の一面トップで大きく報じられたこのニュースは大きな話題になりました。
バスケ好きの多くの人たちが選手たちの無念を思いやり、自分も毎年楽しみにしていたのに本当に残念だと嘆きます。
2020年の春の憂鬱は能代では能代カップの中止が上位に入っているようです。
楽しみがなくなったでは済まない、宿泊施設・飲食店等のダメージの大きさも計り知れません。参加チーム、その保護者等応援団、審判団だけでも300人を超える予約があり、能代のホテルは一杯、車で1時間ほどの隣町や秋田市に宿泊する方もいるのです。まさに頭を抱えていらっしゃるのではないかと思います。
もし5月に自由に旅行ができる状況になっているようでしたら、能代においでください。能代を足場に東北観光、十和田湖も田沢湖も男鹿半島も車なら日帰りの距離です。絶景の五能線沿いの観光もおすすめです。海と白神山地を見ながら海沿いの道を走るのは気持ちいいですよ。
また新装開業予定のバスケミュージアムに入り浸って映像を延々見るもよし、昔の試合の資料を読み漁るもよし、日が暮れたらチェーン店の無い柳町の飲み屋街に繰り出して、居酒屋巡りもできます。
早くそんな日が来ますようにと願ってやみません。(能代の母)