われわれ人間にとってどうしても必要な食物。
この食物が十分な状態で供給されるようになったのは20世紀の中盤からだったようです。まだ、100年たっていないんですね。それまでは人類はいつもひもじい思いをしており、飢饉が常に人間の生死を決めるものでした。
乱暴な言い方をすれば、それで人口の調整が行われていたようなものといえますが、そこで生き残った人間は強い遺伝子を持った人間ということになります。
だから、そんな状況を打破するために人間の身体自体が、何でも食べられるようになっていったのです。あれが好き、これは嫌いなどと、贅沢を言っていられるほど食物がなかったのです。
ある時に、そして、その時に食べておかないと次に何時食べられるか分からない。これが常態だったのです。
世界の歴史の中でのヨーロッパと言えば先進の地域ではありますが、ひとたびペストなどの疫病がはやったり、飢饉が起こるといっぺんに数千万人が死んでしまっていたと言います。それを救ったのが、いや、それを助けたのがアメリカ大陸から持ち込まれた、とうもろこしやジャガイモでした。どこでも、どんな気候でもしっかりと根付き収穫できるこの2種の食物は、それまで小麦が中心の生活をしていたヨーロッパ世界を大きく変え、人口の増加を促し、文化、科学、工業の発展につなげていったと言えるでしょう。
さて、現代の世の中は……、特に日本の状況を見ると、う~ん。ちょっとおかしかないかい? と思うんですけどね。
とここまで書いて準備していた時う~ん、無駄がないなぁ、という生き方をまたまた、少し体験いたしました。
昨晩、早く寝たので起きたのは5時半。
色々と雑事を片付けてTREKで野川を走って7時頃近所の畑の師匠の邪魔をしに行きました。そうしたらやることが多くて、草むしり、ジャガイモ掘り、ごぼう掘り、トマト、きゅうり、ニラ、ラディッシュの収穫。これまでもジャガイモ、トマト、きゅうりなどは収穫したことはあるけれどごぼうは初めて。サトイモの葉みたいな大きな野の茎の所に写真のようなT字型のごぼう掘りの道具を打ち込んで左右に動かして引き抜きやすくします。そしてよいショ!てなぐあいです。
東京でこんなことが出来る僕は幸せですな。
そして、爽やかな風を感じながら師匠の手作りパスタ。畑から獲ってきた出来損ないのピーマン、茄子、たまねぎをオリーブオイルでいためてそこにかんづめの シーチキンをぶっこみ、しょうゆとパルメザンで仕上げ。まずは冷えたビールでお疲れ様をしました。至福のひと時であります。
1つ忘れていましたね。ちょいとすっぱいトマトも入っていました。これがまた良くパスタに合うんです。そんな昼飯をやっているとお隣の畑の第2師匠がきゅうりと手前味噌、茄子の漬物を持って乱入。話がどんどんはずみます。
夏野菜の時期にはいつもこんな感じでの交歓があります。こたえられん。
そうだ、こんな時期にしか出来ない贅沢な1品の作り方をご披露いたしましょう(3~6人分)。傷だらけのたまねぎ、茄子、トマトを使ってください。
必要なものはたまねぎ(4~8個)、茄子(3~6本)、トマト(4~8個)、マギーブイヨン(3~6個)、牛すじ肉(100~200g)、そして大きめの鍋。
たまねぎはむいて、それ以外もすべて1~1.5cmに輪切りです。鍋にまず①たまねぎ、②茄子、③トマトの順に乗せていく。茄子とトマトの間に冷蔵庫にあるクズ野菜を入れてもよし。さらにその上に④すじ肉、⑤とろけるチーズ、⑥マギーブイヨンをのせて、ふたをする。
そしてただひたすらトロ火で3~4時間煮込んで出来上がり。
これ以外何も入れません。実に自然な甘さが出たSOUPの出来上がりです。そのまま食べても良し。パスタにかけても良しの優れものです。
食い物のことになるとどうもとっ散らかった原稿になってしまいます。すみません。是非だまされたと思って試してください。
それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。