東日本大震災の後始末に、なんか見当違いな感じの対応で終始している日本の政府ではありますが、なんとか良い形で早急に収まって欲しいと思っているのは私だけではないと思います。
この震災の前に台湾のことを書きましたが、その台湾から、なんと4月29日の時点で160億円もの義捐金が贈られて来たというのですから驚きです。

 3月の11日の後、台湾のTV番組は4時間あまりの放送でなんと約20億円の募金を集めてくれました。その後このムーヴメントは時間を経るごとにどんどん進展して160億円。なんとも凄いことです。
再度言うと、人口2300万人、九州ほどの小さな島国・台湾。300円もあればお腹いっぱい美味しいものが食べられる物価。その台湾が隣人日本のためにこんな善意の塊をプレゼントしてくれたことを多くの人に知ってもらいたいと思います。

前のコラムにも書きましたが台湾は日本が統治していた時期がありました。穏やかな人々が多い台湾と日本の統治システムがあったのでしょうか、日本の教育システムや考え方がまだ残っている感じがします。そんなバックグラウンドがあるからでしょうか、台湾の人々の好きな国、好感度を持つ国はダントツ日本でありまして、昨年の調査でも52%の台湾の人々は日本に好感を持っているというデータがあるようです。
 この義捐金、そんな所があって集まってきたのでしょうね。人口で割ってみると1人696円、生まれたばかりの赤ちゃんから、90歳以上の老人までです。日本人が他国のためにこんなことが出来るんだろうか? と考えると信じられない行動だと感じるのです。

 台湾は国際政治上の位置としては、中国の一部とみなされています。日本との関係は非常に深いにもかかわらず、正式な国交はない状態ですから一般国民としては微妙な感じの国、という言葉が一番合っているような気がします。
確かに大陸・中国は人口が多いので震災前には旅行者もたくさん来て日本も潤うという現象はありました。ですが、個人的な、政府レベルでない付き合いに関しては圧倒的に台湾に軍配は上がります。
日本政府もアメリカやヨーロッパそして韓国や中国には首相名の入った正式謝礼の意を含んだ新聞広告を出したようですが、台湾には中国に気を遣ったのか出していないようです。

ここでも、面白い動きが表出しました。政府が出来ないことをフリーのデザイナーである若き木坂麻衣子さんという方が“謝謝台湾計画”という台湾の新聞にお礼広告を出すという計画を4月11日に立ち上げて、twitterやブログで支援を呼びかけました。そうしたところ4月26日には約2000万円が集まったのです。
そして無事、台湾の“自由時報”と“聯合報”という大手新聞に掲載できたと言います。この2誌だけの出稿だけなので(出稿料は238万円だそうです)、残額はすべて赤十字を通して義捐金に回すということです。木坂さんは、
「助けてもらったら、キチンとお礼を言いたいな、というだけです。こういう大変な時だからこそ、きちんとお礼を言える国でありたいなと思いました。政治は政治でいろいろあると思いますから、“やるべき”や“やらないべき”などを判断して粛々とやっていけば良いと思います。“民間はやりたいからやる”ですから」。
 と語っています。凄いです、彼女の姿勢は嬉しい。その通りです。トライしたんですね。

 出来ることを、出来る人が、出来る形でやればいい。
 やらなければいけない、という風に思った政治家がいたかもしれないけれど出来ないものは出来ないんです。
 
 ボクはますます台湾が好きになりました。また行かなけりゃいかん。そして、お礼を言いに行かなければいけないと思っています。
 
それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。