2006年以来のアメリカ取材旅行です。
実質2006年は2005-06シーズンですから、bjがスタートして2年目の年でした。冬場はなるべくNBAのゲームを見ようと決めていましたから、いつも万難を排して時間を作って行っていました。
ところがbjも同じ冬場に行われますから完全にシーズンがかぶってしまいます。そんなときに一番困るのが、TVの解説を頼まれたときでした。どうしてもそちらを優先しますから、取材旅行の計画が立たなくなるのです。なるべく一度で多くのゲームを見ようとスケジューリングに苦労するのですが、どうしても良い形で取れなくなって、ゲームを観れるのが少なくなってしまうとあきらめることになります。
今回ようやくそんな考えを吹っ切ることが出来そうな巡り合わせがやってきました。
今年のオールスターゲームはオーランド/フロリダで行われますが、前回オーランドで行なわれたのが、ちょうど20年前の2月9日のこと。
このオールスターゲームは非常に感動的なものでした。というのはシーズン前の11月上旬、レイカーズのスター、マジック・ジョンソンがHIVに感染、引退を発表したのです。
しかしながら彼の名前はすでに、ウエストのスターターとして各フランチャイズで配られる投票用紙にプリントされていたのです。そしてファンは彼をウエストのPGとして選んでしまったのです。ジョンソンはこのオールスターでプレイしただけでなく大爆発! MVPとなる25点、9アシストをあげました。
ほぼ、試合の決まってしまった第4クォーター、マジックと幼馴染のアイザイア・トーマス、宿命のライバル、ラリー・バード、そして、NBAの松明を渡したマイケル・ジョーダンとのワンオンワンは、当時不治の病といわれていたエイズだっただけに、最後の対決としてみなが涙にむせんだものです。
このゲームをその場で見ていたボクにとっても、思い出深いものとして記憶に残っています。というのは前半の途中パスをはじいたボールが記者席に飛んできたのです。それはなんとボクの席に飛んできてしっかりとキャッチ。シュートじゃなかったからリバウンドにはならなかったけれど面白い経験をさせてもらいました。
まだ、NHKも現場に行って生中継をやってはいなかったので、帰国してから解説をしたときにしっかり撮られていてびっくりするとともに、少し恥ずかしかったのを思い出します。
なお、今考えてみるとこの時の興奮は夏に行われたバルセロナ・オリンピックまで続き、ドリームチームの狂奏曲を世界中に巻き起こす序章となったのです。日本でも一般の人々までバスケットボールは面白いと認知されたのはこの時が始めてといっても過言ではないでしょう。
2月26日(日)が今年のオールスターゲーム本番。日本では月曜日が放送になると思いますが是非お楽しみに。人気が一気に沸騰したジェレミー・リンもスラムダンク・コンテストのチームメイトのアシスターとして出場するようです。
もしかするとルーキーチャレンジにもエントリーされているかも知れません。スターンコミッショナーだったらその位のことはやってくれるでしょう。
オールスターのレポートは次回に書きたいと思います。
それでは次回の“なんトラ”まで御機嫌よう。