自分の健康を保つためにしていることにはいくつかあります。
①玄米食
②野菜、魚中心の食事
③エスカレイターに乗ったときの足首ストレッチ
④週一テニス
⑤バイク(自転車)での移動
 などなど。①、②は体が自然と求めているようですので、やろうやろうとしてしたことではありません。成り行きに任せました。
ボクの人生はいつもギリギリだと連れ合いに言われます。「いい歳なんだから、時間に余裕をもってやらなきゃ」…。今まで確かに、仕事柄かつねに締め切りというものがつきまとっていましたから、あるときにはタイトロープを渡っているようなときもありました。でも、どうにもなりそうにない状況でもなんとかなっていました。
 駄目で元々、当たって砕けて…。
だからいいかげん(良い加減)に成り行きにまかせることがボクの処世術だともいえます。続かないものもたまにはありますが、①、②はかなり継続しております。
④、⑤は実行されている方も多いと思います。特に昨今、自転車に乗っておられる方の多いこと、多いこと。羨ましいほど素晴らしい機種にお乗りの方もおられます。
③は拇指球、指でエスカレイターの段の手前部分につま先で引っ掛けてかかと部分を下に落としてアキレス腱を伸ばすやり方です。エスカレイターの保守の方には「そんな乗り方をするな!」と叱られそうですが、日常生活の中にそのような動作はないのでやってしまいます。ごめんなさい。でも、凄く気持ちいいのですよ。

さて、先日気持ちの良い5月晴れの土曜日、例によってテニスに出かけました。その日はいつものメンバーの参加者が多く待ち時間がかなりありました。ところが隣のコートでプレイしているグループは3人しかおらず、一緒にやってもらえないかという申し出がありました。つまり助っ人を一人貸してくれということです。
たまたま空いていたボクがそのグループに入ることになりました。
そしてダブルスです。相手は40代後半か50代に入ったばかり位のご夫婦。パートナーは72歳の大先輩。しかし、相手の男性の動きや表情に何だか違和感がありました。
そうした所パートナーから、
「実は彼は私の息子で52歳です。50歳の時に脳梗塞を発症して言語の方に障害が残っています。でもリハビリがうまくいき何とかテニスをやってみようと本人が思うまでに回復してきました。初期には車椅子でしか生活の方法は無いと医者に言われていたのにです…。ご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いいたします」
と言われたのです。びっくりしました。私の父も脳梗塞で倒れてから23年間もその精神的な移ろいや姿を見ていましたから、彼のやる気に驚きました。
彼は左脳を損傷したので右半身が不自由になり言語に来たのですが、生来左利きだったのが幸いしました。そして柔らかなゆるいボールであればきちんと返してくることが最初の数ストロークでわかりました。
通常であればゲームというものはどんなものでも勝利を目指すわけですが、この日のゲームはいかに彼の打ち易いところにボールをコントロールするかがボクの課題(トライ)となりました。
約20分ほどのゲームでなるべく彼に多く打たせることが出来れば大成功です。なぜなら何本かボールを送り込んだら見事に返し、そのときの表情がドンドン良くなってくるのが分かったからです。普段より倍以上のコンセントレーション(集中力)でボールを注視し、そして動き回りボールを渡す。
都合、彼とは2ゲームしました。あちらこちらにボールが飛んでも全部拾ってボールを送り込むのですから凄く疲れました。でも、彼のおかげでボクにとっては非常に良いエキササイズになりましたし、良い汗をかかせてもらった上に、素晴らしい感動をいただいたのです。
そしていつ彼のように思わぬ不幸が来たとしても、あきらめずに闘い異なった部位の開発をしなければいけないのだ、また、心の準備も必要不可欠だということを学ばせていただきました。毎日、毎日考えなければいけませんね。

それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。