10月の10日をはさんだ連休に秋田県の能代に行ってきました。
例によって毎年先代の能代工業高の監督の加藤廣志先生の名前を頂いた、熟年パワーバスケット大会に参加するためなのです。熟年というからには歳をとっていなければならず参加資格は40歳以上ということになります。バスケに携わってからはかなり長いボクですが、プレイは本格的にはやっていないので出場という言葉は使えません。
でも、心優しいチームメイトの方々はそんなボクを何も出来ないアシスタントコーチとしてベンチに座らせてくれています。わがチームは“TOP5”と言う名前で東京オールドパワー5の略で、加藤先生の教え子で東京在住のOBが中心になり大学や実業団チームで一緒だった仲間で構成しており、プレイヤーの最高齢は63歳、若いので45,6歳ですから大変なものです。平均51,2歳という所でしょうか。
そんなバスケ馬鹿たちが20人ほど東京から電車、自動車、飛行機で能代に参集するのです。正式名称は加藤廣志杯熟年パワー・バスケットボール選手権・能代・山本大会と言うのですが、今回で10回目という記念大会でした。1999年の第4回大会から出場している東京チームは6年間で5回優勝しているという強豪ですので参加チームのすべてから目の敵にされています。
年々体力は落ちて行っているのですがそこは経験というキャリアでカバーしてなんとか辻褄をあわせています。今年のニューカマーは昨年まで宮城のチームで出ていた元新日鉄の藤田直也さんと、宮崎(川村)金吾君。藤田さんは54歳のベテランの味を十分出してくれましたし、金吾君は現役さながらのスピードとシュート力を見せてくれました。彼の加入で、同級生の平田聡君が俄然生き生きと活躍してくれました。
このチームの楽しさは30数年前に月刊バスケットで取材させてもらった選手たちのその後の人生を知る事が出来るところでしょうか。4年前、しばらくぶりに能代に行くという時、乗せてもらった車の運転をしてくれたのが平田君でした。彼は月刊バスケの創刊号の時に次世代のホープというコーナーに登場してくれていたのです。なにしろはじめての号ですから非常に印象が強かったのでおぼえていました(もちろん平田君のほうも)。当時、彼は中3、埼玉の日進中で全国中学生大会でチャンピオンになったときの選手でした。30数年のギャップはすぐに埋まったのはいうまでもありません。10時間はかかる能代までの道行きで色々話しました。後に、明大中野高校から明治大に行き実業団で出来る実力はありましたがスポーツメーカーに勤めたのです。
その高校時代にライバルとして常に覇権を争っていたのが金吾くんです。いまやチームメイトとして素晴らしいコンビネーションでTOP5の新たなワンツーパンチになりました。
その他、明治大が学生としてオールジャパンで天皇杯を獲ったときのセンターの小玉一人さん、ポイントガードの下田哲司さん、能代工高が初めて全国制覇した埼玉国体のガードの山本富美夫さん、芝浦工大から熊谷組で活躍した中村孝三さん、福大大壕から明大そして大和證券のゴール下を守り抜いた鶴田晴司さんなど、取材させていただいた人ばかりです。皆さん華々しい経歴をもちつつまだバスケから離れられない面々のお話を聞けるのですからたまりません。
楽しい懐かしい話、そしてそこに温泉、きりたんぽ鍋、秋田の銘酒が加わるのですから何時果てるとも知れない話になるのは当然のことでした。
そうでした。今年の戦績を書いていませんでした。
1回戦は弥生クラブに前半は26―20でリードしたものの後半逆転されワンゴール差で敗れてしまいました。年齢の高いわがチームはメンバーをしょっちゅう代えながらやらないと、どうしても早さが落ちてしまいます。それだけにちょっとタイミングが狂うとやられてしまうことがあります。この試合はそんな面が出てしまいました。
皆ガックリ来てしまいました。2位では決勝リ-グに出られないのです。ところがあろうことか絶対優位だと見られていた弥生クラブが残り3秒位のとき逆転シュートを食らって1点差で敗れてしまったのです。
がぜん元気を取り戻したのはTOP5の面々。弥生クラブに勝った湯雄スペシャルクラブに前半38-19、後半30-21の68-40,28点差のブロウアウトしたのです。ものすごい集中力でした。
こうなると勢いは止まりません。翌日の準決勝の能代カップスタッフ戦も71-37。決勝のオールスター戦も77-32と完全撃破、7年間で6回目の優勝を遂げたのでした。首の皮1枚で繋がっていた可能性を見事に生かしただけにメンバーの喜びはひとしおでした。
年に一度の能代ツアー、今年も喜びのうちに終了しました。
”継続は力”を体現しているTOP5の挑戦はまだまだ続きそうです。
来年は女子も東京からというような話もあるので、能代に行ってみたい方は私目にメールをくださいませ。女子は年齢制限はありませんので若くてもノープロブレムですので・・・。おじさんケイジャーも面白いなんぞという奇特な方、なんトラです。