時には寄席も好いもんだ! – なんトラ164

本当に久し振りに落語を聞きに行きました。
学生時代の友人がどうしても行きたいというのにお付き合いをしたのです。彼は、杜の都仙台に住んでおりまして、先の地震でも家は無事だったものの、かなりの心労はあったようでした。そんな彼が行きたいというのですから、しっかりとアテンドしなくてはなりません。少しでも気分が晴れてくれれば、という想いです。
で、まず確認しました。
「何故、落語なの?」
と。すると、
「仙台にも名の通った落語家が来て演じてくれるけれど、そのチケットはとてもとりにくいんだ。すぐにソルドアウトになってしまう。時々来るからそういうことになってしまうんだね。だから東京ならば常打ちの小屋(常に上演している寄席)があるので一度じっくりと時間をかけて聞きに行きたいと思っていたんだ」
ときました。演者についての特にという希望はないようでした。
そこでボクは自分の動き易さを加味して新宿の末広亭という寄席を選び、前売り券を買いに行きました。そうしたら売っていないじゃないですか。なんと当日売りしかやっていないというのです。興行の基本のママですね。
料金は一般・2700円、シニア・2500円、学生・2200円、小学生・1800円。
ちょっとみると料金は高いかなと思われますが、通常はなんといっても昼夜入れ替え無しというんですからこたえられません。12時から16時30分までが昼の部、17時から21時までが夜の部。見ようと思えば、いや、聞こうと思えば9時間もいられるんですから寄席に…。映画ではこういう訳には行きません。シニアは65歳以上で、ボクは初めて恩恵に浴しましたよ。
落語が中心ですが奇術、漫才、俗曲、漫談、物まね、太神楽、紙きり、コント、漫謡、大喜利、ギタレレ漫談などというようなバラエティーに富んだ演目があります。特に落語は演ずる題目が決まっておらず、同じ物がかかるということは絶対にないといいます。後から出てくるベテラン噺家はお客さんの反応を見つつ、重ならないように演じます。ここら辺が面白いんですね。

さて、落語といえば江戸時代から綿々と続く演芸の究極。歌舞伎などと同じで食事を採りつつ酒などをきこしめつつ楽しむのが王道で、伝統です。
われわれは伝統に従い、デパ地下で好物の玉子焼きやシュウマイ、その他のおかず類そしておにぎりとお酒などを調達して伊勢丹デパートの向かい側の筋を入った所にある末広亭の開演前に並びました。
うまいことにサイドの畳の舞台に向かって左側の桟敷席中央あたりに席をゲットできました。その席は前が下駄箱のような履物入れになっており、ふたの部分は25cm幅のテーブル状になっていて、まことに都合がよろしく出来ております。
落語やその他の芸を楽しむのはもちろんですが、上記の飲食、そしてお客さんたちの反応、面白くなかったり話が下手だったりすると口をあけて寝ている人がいたり、若き学生のような女性客の笑顔が素晴らしく素敵だったり、新たな発見がありました。そして、われわれの見れた有名な芸人は林家ぺー、元月の家円鏡改め橘家円蔵、そして後輩の江戸家猫八親子。現猫八のお姉さんは同級生でしたな。
夜の部は用事があったので見れませんでしたが、満足して気分上々、家路に着きました。仙台の旧友も同様な気分だといっておりました。次回は末広亭の隣にある老舗の洋食屋さんの“あづま”とセットで行きたいものです。あづまは明治大学バスケ部のOBの方が営んでおりますので、新宿にお越しのバスケファンは是非行ってみると良いと思います。リーズナブルな美味しいお店ですから。

それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。


アートの世界に初トライ! – なんトラ163

1か月のご無沙汰です。
この間、何やかやと動いておりましたが一番のメインは、長野県軽井沢町の信濃追分という昔の中山道と北国街道の別れ道にある宿場町の油屋という、今は使われていない宿屋の前庭で行われた“信濃追分ホンモノ市”という本とアートのお祭りに参加しておりました。
緑あふれる素敵なサイトで、自分の人生では初と言っていいアートの世界に脚を踏み入れるのですから十分過ぎるほど緊迫感もありました。
10月9日と10日のわずか2日間のお祭りですが、6日から軽井沢に入り、11日に帰京というゆったりとしたスケジュールでした。
昨年に続き2回目の催しとなります。偶然ですが昨年も見ていましたし、狛江でお付き合いのある生活小物や雑貨そしてニットの作家から、なにかやってみたらと勧められ、スペースを貸していただき、書とポストカード、書とサンキューカードをマッチアップさせた物を展示、即売したのです。
今まで、好きで自分流の書をかいておりましたが、これもボクの中の“なんトラムーヴメント”のひとつで「とりあえずやってみよう」ということで参加してしまったのです。しかし、外側から見ているのと、その中に入って参加して動くのとは大きな違いがあります。大変勉強になり、やってみないと見えてこないものがたくさんありました。
作品はポストカードが100円、サンキューカードが200円と言うホンの小額の2種類しか出展しませんでしたが、物を売ることの難しさを実感した次第です。
昨年は25ブースだった出展が、今年は55ブース、倍増のスケールアップでした。ステンドグラス、陶芸、絵画、木工、金工、古本、ニットの編み物…etc.などありとあらゆるブースが出ていました。皆、決してあわてずじっくりと来場者と楽しげに会話する姿があちこちで見られます。そしてそれぞれのアートに対する関わり方や、考えを披瀝しあいながら刺激をうけあっているように見受けました。素敵な空間です。
これまでスポーツという動の活動しかしてこなかったボクにとって、静の行動というものは非常に興味深い物であり、じつにゆっくりと時間が過ぎてゆくものだと気がつかされました。
これも良いものだ、捨て難い、としみじみ思ったものです。
そしてこのホンモノ市、東京にいたら絶対にしないであろうことを体験できる場があるのも嬉しいことのひとつです。木工のブースのアーティストがチェーンソーで木を削り、椅子を作っていてそれをオークションに出していました。なかなかしっかりとした椅子で木目も綺麗に出す塗装をした渋い作品でしたが11,000円で落札されていました。
我が家の玄関にもひとつ欲しいと思いお値段を聞きにいったら
「材料費は5,000円くらいですが、お教えしますから自分でやってみたらどうです?」
と提案されました。元々好奇心の強いおっちょこちょい気質の強いボクはすぐ予約。翌10日にやってしまいました、体験“椅子作り”。
プロがそばについて教えてくれるなんてシチュエーションはまずありません。すべて電動ですがチェーンソー、かんな、ドリル、研磨機など初めて動かす物ばかりで、凄く楽しい体験でした。まさか、こんな物が自分に出来るなんて、と言う出来栄えです。4本の脚の部分には縦にノコギリで切れ目を作り楔を入れて、その上で接着剤を流し込んでよほどのことがない限り外れないようにするといった“プロ~ッ”といったテクも教えていただきました。
趣味の世界がまたまた広がりました。好きな作品を作って、好きなことをやらせて貰って、作品が残るなんて、至福のひと時、癖になりそうです。
通常、軽井沢と言えば素敵な別荘ライフと、最近ではアウトレットでの買い物などを思い出されるでしょうが、まずあふれんばかりの自然がわれわれにとっての最高の贈り物といえましょう。木工もそんな一部だと思います。
そんな自然があふれた中での“信濃追分ホンモノ市”、シャレた物やアートいっぱいの作品が見つかることは請け負いましょう。
2012年は春、秋の2回開催という予定だそうです。春は連休あたりかな? ドライブがてらにぜひ来てくださいな。ボクも多くの仲間が出来ましたのでまた参加したいと思っています。
ホンモノ市と秋の軽井沢のスナップを少しだけお送りいたしましょう。

それでは次回の“なんトラ”までごきげんよう。