日本から外国に旅に出てまず感じることが私にはあります。
 飛行機から税関を通って、荷物をターンテーブルのところから取り出して、えっちらおっちら運び出して迎えに来た人と会ったり、あるいはタクシーに乗ろうとしたり、さらにシャトルバスなどに乗ろうとすると感ずるのです。
 それは“香り”いや“匂い”と言った方が良いでしょう。私はそれほど多くの国を訪ねているわけではありませんがそれでも感ずるのですから、それが生活の匂いなのかもしれません。
 たとえば、韓国のソウルに行く時には金浦空港に降り立つわけですが(今も同じかな? なにしろソウル・アジア大会、ソウル・オリンピック以来行っておりませんからね)、そうすると“にんにく”の匂いがプ~ンと来るのです。冬場はそうでもないのですが夏はかなり来ますね。
そしてインドのカルカッタ、今ではコルカタと言うんでしょうか、トランジットでちょいと降りただけで“カレーの香辛料”の匂いがプ~ンと来たもんです。
アメリカのニューヨークに降り立つと“たまねぎ”の匂いがするんですよね。
作者は誰だか失念しましたが、世界の各都市の匂いをイラスト化したアーティストの作品をみたことがありました。そこには、ニューヨークの摩天楼とLady of Liberty(自由の女神)が描かれ、その上に漂う雲が“たまねぎ”の形をしていましたっけ。
香港の上空を漂う雲は“にんにく”。ローマは“オリーブ”の形のがね。
じゃあ、日本はどんな匂いがするのか? ということが話題に上ったことがありました。バスケのアジア連盟のエディトリアル・コミッティー(編集委員会)のミーティングの時でした。当時の事務総長の趙東宰氏は「住んでいる人には分からないものです、そういうことは。日本におりると“味噌汁”の匂いがしますよ、私にはね」。
思わず「へぇ~、そうなんですか?」と言ってしまいました。考えなかった訳ではありません。イラストを観た時に「ウ~ン、なんだろう日本は」と。でも、日本人は体臭も薄いと言われているし、あまりないんだろうな。と一人で合点してしてしまったのでした。ですから前記の表現になったのです。
匂いひとつでもこれだけの多彩さです。これが色となると決めにくいものですが、さらに色々(?)です。
今回フランスに行って非常に心地よかったのは、色が優しかったことでしょうか。長い歴史の中で色と色の組み合わせの妙を熟知しているところが、あらゆる場面に出てくるのです。生活の中にもすごく出ていることが分かります。
たとえばアルザスの田舎町コルマールの朝市に行ったときも感じました。柔らかい朝日が大きな倉庫に差し込んでいる場に色々な物が並んでいます。綺麗なんです、これがなんとも。元々のものの色自体も自然のもの以外を使っていないから優しい色なのですが、それのディスプレイの時点での色の配置、配色、みごとなものです。
フランスにいた7日間、本当に心洗われる気がしたものです。特に都会でなく田舎にそれを…。日本には日本の優しい色使いがあると思いますが、ヨーロッパの配色の妙はどうも、グラデーションにあるような気がしますね。
それでは何点かの“色”を見てみてください。次回の“なんトラ”までAu revoir…!(オー ルヴォアール/さよなら)。