今まであえて触れてこなかったこととして、日本バスケットボール協会の紛糾の件があります。あまりにもごちゃごちゃしていて整理がつかないということもありますが、1973年に月刊バスケットボールの創刊編集者として立ち会って以来35年間、ず~っとこんな状態が続いているので、ある意味あきらめの境地に達していて外側から傍観していたこともあります。

 そのうち心ある方が出てきて本来のあるべき姿に戻してくれるまで「自分たちの範囲で、自分で出来ることをコツコツやる以外ないのかなぁ」と考えて行動していました。

 雑誌を出し続けることは当たり前のことでしたが、それ以外にも広告代理店の方と話し合いながらハワイで行われていた“ALOHA CLASSIC(アロハクラシック)”というNBAのプレ・ドラフトトーナメントを招致して“JAPAN CLASSIC”と名前を変えて1989年から91年まで実施。1986-87年シーズンより始まったNBAのTV中継での解説にトライ。90年からのNBA公式開幕戦JAPAN GAMESのプレイベントでの3ON3バスケットボールの導入。アメリカのスポーツ文化のひとつであるNBAのトレーディングカードの紹介などを行ってきました。ここまでは月刊バスケットボールにどっぷりとはまっていた頃のことです

 さらにNBAのオフィシャル・ファンクラブとその流れを汲むHOOPHYSTERIA、そして子どもたちの個人技のレベルアップをはかろうとアメリカナイズされたFIVE STAR CAMPも岡山恭崇氏と運営してきました。それぞれ10年、13年の歴史を刻む活動となっています。あっという間でした。もちろん自分で出来ることを、とは言っていますが、多くの方々にお世話になって続けてこられたことは言うまでもありません。

 以前より“わけのわからない”動きが多かった日本バスケットボール協会ですが、ここ数年ますます迷走を続けています。昨年11月末の協会臨時評議員会でようやく今年度予算案が承認されましたが、ここにいたるまで5回連続流会、8か月かかっています。2006世界選手権の多額の赤字が原因でしたが何とか一歩を踏み出しました。しかし、人事を巡ってまたぞろ、もめて決まりません。12月にはJOC(日本オリンピック委員会)の介入を得て、1月10日までに人事が決まらなければ07年度の強化交付金(約1100万円)を交付しないという処分が出たのですが結局また決まらなかったのです。その後も2回の評議員会が開催されましたが流会になっています。まさに泥沼状態とはこのことでしょう。人事の成立が遅れればさらに07年度に続いて交付金の中止や、お金がないのですから主要国際大会への派遣も中止も考えなければならぬ状態になってきています。

 ボクはメディアという立場に居りましたし、長年バスケット界の近くにいると見られているので多くの方からいろいろ聞かれます。「どうなっているんですかねぇ?」と怒りを露わにしてです。
多くのバスケット愛好者、ファン、プレイヤーの方々は、協会の理事という職にある人々が、本来やらなければならないことを放置し、何故そうなったのかも説明もしないという“わけのわからなさ”自体というものに絶望し苛立ち感を募らせていったのだと思います。応援、支援してくれている方々にそうさせたことだけでも大きな罪だと思うのですがまだそこまで考えは至っていないようです。自分たちの立場だけを考えて行動しているのです。

大きな集団も、よく見れば小さなグループごとに異なった利害をもち、個人のレベルまで落とすとさらに千差万別と言えます。将来のバスケットボールを楽しいものにするためには、異なった考えのグループが共存して行かねばならないのです。それには“小異を捨てて大同につく”というもの凄く大きな努力をすべきなのです。今はそれしかないと思います。
すべては楽しいバスケットボールのため。未来あるバスケットボールの大好きな若者のためなのです。
バスケットボールを政争の道具にするような人々はいらないのです。あなたたちが生まれる前からバスケットボールという競技はあったのです。それを壊す権利はだれにもないのですから……。

バスケットボールをやってもいなかった人間が偉そうなことを書いてしまいました。常日頃、こんなことをやっていいのか? 言っていいのか? と考えを反芻しながらズ~っと来たつもりのボクです。でも、こんなに素敵なスポーツを意味もなく破壊することだけは赦せない、という気が書かせてしまったのでしょう。
もし気分を害された方が居られましたら申し訳ありません。ひらにお許しを乞うしかありません。

でも、最後に、3月23日(日)狛江市民体育館でFIVE STAR CAMPを行います。継続です。奮って参加して欲しいと思います。
それでは、次回の“なんトラ”までSEE YOU!