6月30日、朝4時半起床。普段だったら真夜中なのに、しっかりと眼が覚めます。朝食はオーレン小屋にお願いしておにぎりを作っておいてもらい、それを持って5時11分に夏沢峠に向けて出発です。
昨日の昼過ぎに一度リハーサル登山をやっていたので20分は登るコースでも2度目となるとなんだかすごく近く感じたものです。天気は昨日と同じく梅雨時なのに晴れ間も垣間見える状態で問題なし。雨さえ降らなければ楽なものです。5時半には峠に到着、ここでおにぎりをほおばります。梅干のおにぎりでしたがいつもは絶対食べないのに美味しい美味しい、身体が塩分を求めているのでしょう。スイスイと入って行きます。
少々霧が掛かっていましたが、時折さぁ~っと晴れて硫黄岳の爆裂火山口がみれます。
腹ごしらえのできたところで、ここから一気に2760mの硫黄岳の山頂を目指します。気温は18度アンダー。下界の下々の者たちは35度を上回る中で必死にお仕事、なのにわれわれはぜぇぜぇいいながらもイワカガミ、三つ葉オーレン(黄蓮)、コマクサ、ウルップ草などの高山植物を見つつ、少しずつ登っていきます。
小屋から硫黄岳山頂まで430mの差がありますから結構なもので、植物の生える限界線をも少しだけ超えます。そんなところは岩だらけ、強い風は吹くし寒い寒い。岩を円錐状に積み上げた有名なケルン(初めて実物を見ました)が20mくらいおきにありそれを目安に休みつつ登っていきました。
南八ヶ岳山系の山としては赤岳(2899m)、横岳(2829m)に次ぐ高さで3000mには満たないとはいえ気圧は結構低くて真空パックの袋はパンパン、頭は少しクラクラしていました。これが高山病になる状況かな、などと思いましたがその後元に戻りましたが、寒さも加わって間接の節々もこわばっていましたっけ。
ようやく頂上に着きましたが、自らの足でたどり着いた“わが人生最高地点”でした。それまで霧が掛かっていたのに山頂についてしばらくしたら目の前に主峰・赤岳、と左側に横岳が丸見えでした(1時間10分)。
高柳師匠は「4度目にして初めて見えたぁ~!」と大喜びしていました。
硫黄岳から硫黄岳山荘のルートの両側短いですが高山植物が豊富、ということで軽くご挨拶。この時期にしか咲かないウルップ草が見れたので、またまた師匠は興奮。ルーキーのボクはキョトンという感じでありました。
さて山頂から赤岩ノ頭(あかいわのかしら)を通って赤岳鉱泉へ、ここで昼飯。昨日の残りのパスタ・バジリコソースを食べて美濃戸山荘を通って美濃戸口・八ヶ岳山荘までず~っと、ひたすら下り。
14時35分に到着しました。小屋を出発して9時間24分。総歩数29634歩。無事バス停までたどり着きました。
この八ヶ岳山荘には沸かし湯ですがお風呂があります。ここでゆっくりと疲れを取りつつ、バスで茅野駅に向かったのです。
理想的な展開はここまででした。
茅野駅近くのお蕎麦屋さんで、食事でもしてから東京に…と思っていましたら、丁度時間が悪く休憩時間に当たって目的を果たせず――。
ここら辺りから、調子が狂い始めて来たのです。
この続きは次回の“なんトラ”で。それまでごきげんよう。