本当は、また自転車&交通規則のことを書こうと思っていたのですが、どうしてもバスケファンの皆さん、及びそうでなくても、何かにトライしようとしている皆さんにお知らせせねば・・・という案件が出てきましたのでそちらの方ににしたいと思います。しばらく、「なんトラ」を書けないでいたのも大きな理由のひとつなのですから。いざ・・・。

 皆さんはNKKやトヨタ自動車などで活躍していたビッグマンの阿部理(あべ・さとし)選手をごぞんじでしょうか?。
 実は彼は日本でやれることはやったとNBA選手になるため渡米することにしたそうなのです。
まあ、以前よりそんな感じはうすうすしていたのですがついに踏み切ったということです。熱心なNBAファンでもあり、ナショナルティームでも活躍していた彼が日本での輝かしいキャリアを捨て、34歳にしてトライするのです。田臥君の23,24歳から比べるとチョット、という感じを皆さんも持たれると思うのですが阿部君にとっては今がその時なのでしょう。
 彼から相談を受けました。
 まだ、寒いころの事です。阿部君から電話をもらったのです。
 これまでも、NHKでNBAの解説をしている塚本清彦、中原雄君といっしょに我が家に遊びに来てくれたり、ファイブスター・バスケットボール・キャンプのコーチを手伝ってくれたりしていたので、その真面目な人柄やバスケに打ち込む姿勢には絶大なる信用を寄せていました。
 その彼が言いにくそうに話したのが、NBAに挑戦したいということだったのですが活動資金が足りないので何とか方法はないものだろうか? というものでした。その話を聞いたボクとしても、資金的に応援したいのはやまやまだったのですが、一介のしがないフリーランスのジャーナリストとしては”よし、分かったボクに任せておけ”などと軽口をたたけるほどの余裕があるわけではありません。
 そこで、無い、薄い頭をひねりまくりました。
 結論として、自分が出来る応援の仕方にはどんな方法があるかを考えてみたとき、やはり、永年やって来た本作りでするのが一番だ、となったのです。そして、どうせやるならば、なるべく多くの人を巻き込もう、小さな力かもしれないけれど数が集まれば Star Wars ではないけれど FORCE(ちから)となるはずだと思ったのです。
 ボクは若者が一生懸命にやろうとしていることに、応援しないではいられない性質(たち)なので自分が阿部君に対して何が出来るかを考えた末の行動でした。本を創って、少しでも彼のトライに対して資金面の援助が出来たらということなのです。
 その道のプロが、バスケのプロの最高峰を目指す好漢(おとこ)を支援する、そして一緒に、夢をみさせて貰うというコンセプトにしました。
 表紙デザインをHOOP誌などでイラストを描かれているはやし比呂志さん、阿部君を取材し続けていた若きスポーツライターの吉川哲彦さんに客観的な阿部理像に迫って貰いました。写真を中村浩子さん、阿部君の原稿の英訳を金井敬子さんに担当して貰いました。私を含めてすべて持っているプロの FORCE をドーネーション(寄付)していただいたのです。ジャズでいう所の”ジャムセッション”のようなものですね。皆、バスケをこよなく愛する仲間の集団 HOOPHYSTERIA のメンバーです。そしてHOOPHYSTERIA の初めての発行物としてはうってつけのものだと思っていますし、こんな形で出版出来るとは夢にも思いませんでした。
 阿部君のトライの結果がどちらの方向に出ようとも、彼のキャリアの中には多大なものが残る事はまちがいないからです。
 書籍のタイトルは ”THE OLD ROOKIE”、副題として「まだ、終わっちゃいないぜ」とさせて貰いました。ボクが、随分と前から暖めていたタイトルです。
 本当は、彼に一番ピッタリなのは NEVER TOO LATE ですがすでに田臥勇太君の書名で使われてしまいました。ジョークを含めて REAL NEVER TOO LATE としようかとも思いましたが最終的には前出のものに決まりました。
 ぜひ、読んでみてください。こんな異なったアプローチをするプレイヤーもいるんだということが分かっていただけると思うのです。
 そして、さらに多くの方々にお勧めください。
 大げさに言えばスポーツ界でも初めての応援の仕方ではないかと思っていますので。

 「なんトラ」の実践版でしょうかねえ。
 詳細は HOOPHYSTERIA のサイトに飛んでみてください。

 それでは、次回の「なんトラ」まで SEE YOU & PEACE.