2001年12月21日。バスケットボールが生まれて111年目の誕生日がスタートだった“なんトラ”が、11年間のウェッブでの活動(こんな言い方はあるかな?)から、紙媒体のHOOPに移動することとなった。Netの世界も随分と様変わりして、mixiやtwitter、facebookなどが出てくるにいたって今までのHPのあり方の趣も変わってきている。井上さんのHPも衣替えということなのだろう、十分に納得できる変化ではある。
 そもそもこのHPでの連載の話は成城大学文芸学部の“スポーツと文化”という年間の講座に井上さんが登場してレクチャーの終わった後に、お蕎麦屋さんで2人で打ち上げをやっていた時に出てきたものだ。「バスケに限らず、他のスポーツや他の分野のものでもかまわないので書いてください」ということで始まった。ベースに人間の生活の一部としてのバスケットボールがあるのだから、どこまで広がろうとそれは人間の営みの一部を表せば良いという考えがあった。
 さっそくつけたタイトルの“なんトラ”は井上さんも書いておられるように“なんでも楽しくトライしよう”の短縮型。ボクとしては敬愛する植草仁一サンの長いタイトルを気取ってつけたのだが…。
「すみません、島本さんのつけたタイトルをいじる形になってしまうので大変申し訳ないのすが、ちょっと長いので“なんトラ”とさせていただけませでしょうか?」と言うことわりの電話があった。
 こちらとしては井上さんのHPなのだからボクがとやかく言えることでもないし、即「どうぞ変えてくださいまし」と答えた記憶がある。その時、同時にやはり漫画家というのは一般人とは違う面白い発想をするもんだ、アーティストなのだな、とも思ったものだ。それに語呂がいい。大いに気に入ったのである。
 そして連載が始まるとこれまでバスケットボールにかかわることばかり書いてきたが、そこはそれまでの蓄積があるのでなんとかなる。しかし他の分野となると一から調べたり、裏を撮ったりしなければならないという大変さがのしかかってくる。これが自分にとって大変よい勉強になった。
 脳の新たな部分の開発になったのである。自分でも少しは広がったかなと思う所もある。ここも井上さんに感謝しなければならない。HOOPの連載でも前記した“バスケにとらわれない”ということは継承させてもらいたいと思っている。それと、この連載も近いうちにHOOPHYSTERIAのHPで展開する予定だ。少し時間を頂きたいと思う。
 今後ともよろしくお願いしたいと思います。