南ドイツのミュンヘンといえば地理的にはかなりの内陸です。ヨーロッパの地図を開いてみると、長靴のような形のイタリア半島の北で、アルプスの国オーストリアやスイスのさらに北。冬季オリンピックを2度開催しているインスブルック(オーストリア)の地図上では真上あたりにあります。
 ミュンヘンも1972年にオリンピックを開催しており、バレーボールの男子が見事金メダルを獲得したところでもあります。街の中にオリンピックパークという公園があり、開閉会式を行った特徴的なデザインのスタジアムの横に自動車のBMWの本社やミュージアムがあります。几帳面なドイツ人の技術力の粋を集めたようなミュージアムが魅力的でした。BMWのBは Babarianかと思ったらBayeriche Motoren Werke AGの略でした。専門外のことはついおろそかになる良い例ですね、気を付けねば。
 また前回、SMARTと言うコンパクトカーのことをメルセデスの傘下の会社と書きましたが、BMWはMini Cooperを子会社化しているようです。知りませなんだ。

 さて、オリンピックパークから15分程市の中心部に入った所に“イングリッシュ・ガーデン”という大きな公園があります。東京で言えば代々木公園のような立地でしょうか。しかし、大きさは幅1km、長さ4kmと言いますから400ha、代々木公園が54.1haですから7.4倍という巨大なものです。
そこではあらゆる年代層の人たちがジョギング、ウォーキング、ノルディック・ウォーキング、サイクリングなどをそれぞれのペースで楽しんでいます。池には白鳥や鴨などがおり、その横のバラ園には今を盛りと5万本以上の花が咲いていました。1789年に造られたこの公園はミュンヘンっ子のオアシスと言われていて、オリンピックを記念して日本から庭と茶室が贈られて人気だと聞きました。
この公園にはイザール川から引き込まれた用水路といったらいいのか、ものすごい勢いで噴出してくる地元の人が言う“アイスバッハ“と言われる入水口があります。そこは川底に細工がしてあるのか大きな波が出来て、轟々と大音響をあげて流れ込んでいるのです。そこにウエットスーツを着た若者たちがサーフィンを楽しんでいました。
サーフィンと言えばすぐにハワイやアメリカ西海岸、オーストラリアなど“海”でと言う固定観念のある人ですからぶったまげました。街の真ん中、まわりにはオフィス街のある場所でやっているのです。嘘みたいな光景です。水温は10~12度、かなり冷たいのだけれど気にせずにどんどん遊んでいます。市民も観光客も自転車などでやってきて見物しておりました。
日本だったらすぐに「サーフィン禁止」としてしまうんだろうな、などと思いながら眺めておりました。NHKのBSの“世界街歩き”と言う番組で見たことがあったので実物を確認できて幸運でした。若者たちの恐れを知らないトライする姿には脱帽です。
つくづく世界は広いんだなぁと、実感しました。

それでは次回の“なんトラ”までSEE YOU!